こんにちは!ここまでお読みいただきありがとうございます!
いよいよ最後の講演会記事になります!
新井学長による講演会,19日は,現地の中高生を対象に,医者を志すにあたっての心構えや,進路の選び方をメインにご自身の経験を交えながらお話しいただきました!
今回の記事では進路選択のみならず,今後の人生においても大切にすべきことを中心にまとめます.
広報担当は中高生のステージをとっくに終え,これから中高年のステージへ向かおうというところですが,大変勉強になりました.
18日の講演内容はこちらをご覧ください
(ここに記事埋め込み)
なぜ医者を志したのか
そもそも新井学長はなぜ医者を目指すことにしたのか.
新井学長のお父様が医者だったこと,高校の同級生300人のうち30人ほどが
医学部へ進学したことも多少影響があったと講演ではお話されていましたが
この他に,幼いころに見ていたドラマ「ベン・ケーシー」に大きな影響を受けたとお話されました.
ドラマ「ベン・ケーシー」とは,1961年から1966年まで放送され
当時世界中で大ヒットを記録したメディカルTVドラマです.
日本でも放送され,当時毎週の視聴率の平均は40%前後,当時の最高視聴率はなんと50.6%を
記録しました.
この記録は2017年現在も,日本で放送された
海外TVドラマの最高視聴率の記録として残っています(ビデオリサーチ・関東地区調べ)
新井学長はそんなドラマを小学校のころに見ながら育ち,漠然と医師に対する夢を持っていたようです.
なぜ脳神経外科の道を選んだのか
新井学長は,プロフィールに記載の通り,脳神経外科の先生をされています.
ではなぜ脳神経外科を志すに至ったのでしょうか?
もともと,外科医になりたいという願望はあったそうです.
そんな中尊敬できる師に出会い,この人の下で勉強したいという思いから
脳神経外科への道に入ったそうです.
新井学長はこの出会いが人生で一番大きかったとお話されていました.
よき師との出会いを大切に
ここで,講演を聞いている生徒さんたちに持って帰ってほしいまとめが紹介されました.
- 良き師との出会いを大切に
- 海外に出て,外から日本を見つめてみよう
良き師とは向こうからやってくるものだけとは限りません.
「求めよ,さらば与えられん」という言葉もあります.
幸せと同じように,向こうから歩いてきてくれるものではなく
自らが歩いていく必要があるということなのでしょう!
…というのは考えすぎでしょうか?
そういった意味では,誰が良き師になるかもわかりませんので,出会いそのものを大切にするイメージでいたほうがいいのでしょう.
また,グローバル化が叫ばれている現代において
別の国・別の視点から日本を見てみることも重要とお話されていました.
海外留学などは,自分の視野を広げるうえで非常に有用ですし,
海外から日本を俯瞰してみるのも時には必要なのではないでしょうか.
他国と比べてみて改善したほうがいいところなんかは,
日本に閉じこもっているよりも実際に海外へ行って
その違いを実感する方がはるかに見えてきやすいですよね!
逆に海外に行って初めて日本の魅力に気づくこともあるかも!
水がおいしいとか!!
医者に求められるもの
医者に求められるもの・資質とは何なのでしょうか?
新井学長は,
- 大いなる野心
- 科学を究めるという高い志
- 目の前の患者さんを救いたいという強い思い
このほか,患者さんを中心に置いた医療,物語に基づいた医療が大切だと講演されていました.
例えば,ある病気を治す薬を開発したとして,実際に効果があるかどうかを判定するためには,
その薬を投与したグループと投与しなかったグループで回復度合いを比較し,
投与したグループのほうが症状が回復したというデータが出て初めてその有用性を判定し,
お薬として使うことができます.
これが証拠(Evidence)です.
最近では,新型コロナワクチンの関連で話題に上ることも多かったので,
記憶にあたらしい言葉ですが,こういう意味合いがあるのですね…
ちなみにこのEVIDENCEという言葉,
日本で使われる「証拠」とは少し意味合いが異なるそうです.
ではこれさえやっておけばいいのか,証拠ありきで進めればいいのかというと
決してそういうわけではなく,明確な治療法の確立していない病気にはもちろん当てはまらないですし,血の通った,患者さんに寄り添う医療というのはなかなかこれだけでは成しえることはできません.
そこで重要なのが物語に基づいた医療となってくるわけです.
では,患者さんと向き合い,対話していくには何が必要なのか.
次の項目でまとめます.
人間力を養うために
患者さんの「人生」という物語を尊重し,患者さんと向き合っていくには
医師側の人間力が最も重要になってきます.
ではその人間力,どうやって養っていくのでしょうか?
ここで必要になってくるのが一般教養,すなわちリベラルアーツなのです.
医師のモデルコアカリキュラムには,一般医学,専門,臨床実習の基本のほかに,
コミュニケーション能力などの一般教養も,医師として求められる基本的な資質,
能力として教育していくべきであるとうたわれています.
さまざまな学問をこれから勉強していくにあたり,
物事を多角的にみる視点を身につける必要があります.
結果,相手(患者さん)を慮る,理解する能力を養うことができるわけです.
例えば文学,歴史,哲学,宗教,芸術など様々な分野からヒントを得て「教養」を身につけることが,
医師になるうえで必要になってくるということなのです.
もし将来なりたい職業が医師でなくても,一般教養を身に着けておくことは
非常に自分にとってプラスになります.
他者の理解をするうえでは必要不可欠な能力ですし,
他者を理解しようとするその姿勢が生きていく過程で様々なところで役に立ちます.
異文化理解や自己理解などなど…多角的な視点は自分の人生に彩を与えてくれること間違いなしです!
塞翁が馬というわけではないですけど,学習当初は全く役に立たないようにみえる知識でも,
後々ひょんなことから役に立ったという経験は何度かありますね…
伏線回収をしてるみたいで気持ちいいですよね!人生の醍醐味って感じです!
講演後
講演を聞きに来ていた高校の校長先生にインタビューをすることができました.
今回の講演は教育に携わる人から見てどうだったでしょうか?
私もいつも生徒達には言っていますが,理系だからと言って文系の科目を捨てるとか
文系だからと言って理系の科目を捨てるとかではなく,
これも教養と思ってしっかりといろんなものを勉強してほしいですね.
どこかで繋がっているということを講演で示していただけたのはありがたかったですね.
大学に入ってそれぞれ専門的な道を歩んでいくにあたり,高校で勉強した基礎的な知識がものすごく役に立ってきます.
今回の講演で,子供たちもそれが理解できたのではないかなと思います.
ありがとうございました!
期せずしてここでも大変ためになる話が聞けてしまいました…
社会人になると身に沁みますね…
おわりに
今回は,19日に行われた講演をご紹介してきました!
これから進路を決めるであろう中高生に向けた講演でしたが,
中高生ではない私が聞いても非常にためになりました!
特に人間力のところは,子供だけでなく大人にも通じるところがありますよね!
企業の管理職試験では,受験者の人間性も評価の対象になりますし…
最近は便利なもので,わからない物事はなんでもスマホで検索できる時代になりました.
スマホに映る写真やスマホのスピーカーから流れる音楽を見たり聞いたりするだけで,
鑑賞した気分になってしまいがちなところはどうしてもあります.
オーケストラ一つにとっても,
サンプリングされた音声と実際にコンサートホールで聴く生の音声はやっぱり違いますし,
写真や絵画も同じように自分で足を運び,本物に触れるのと触れないのでは
やっぱり違いますよね!
とりあえず経験してみる!という姿勢が案外大事だったりするのでしょうね!
進めば2つ!です!
リベラルアーツの重要性を今回の講演で聞けたことは,
それを軸に活動している我々にとっても意義のあるものでした!
以上,新井学長の講演会まとめでした!
読んでいただきありがとうございました!
リベラルアーツ文化倶楽部では,今後もこのような講演会等を計画しています!
活動記録としてこのサイトに上がっていきますので,ほかの記事にも目を通していただけると大変うれしいです!